Fraser's Hill

(1999年11月12日〜11月14日)

インド系民族の「光の祭典:ディパバリ」休暇の後半、元紀と二人だけ昆虫教室に行って来ました。

青枠の画像は、クリックすると大きなサイズで見れます)

●フレイザーズ・ヒルの紹介

フレイザーズ・ヒル(海抜1524m)は7つの丘からなり、マレーシアで最も美しい高原リゾートのひとつ。フレーザーズ・ヒルという名前は、1890年頃ここに住みついた孤高の探検家、ルイス・ジェームス・フレイザーに因んで付けられた。

このリゾートは、パハン州と連邦政府によって開発が進められ、特に自然美の保存のため土木工学の粋が集められている。その為か、逆に交通の便は悪い。また、安宿は少なく食べ物も高いが、石造りで統一された町、霧の立ちこめる朝と夜、どれをとってもマレーシアにいることを忘れさせ、イングランドの片田舎にいるような気分にさせてしまう。

フレイザーズ・ヒルでは、国立植物園やバンガローの周辺に咲き誇る蘭、ゼラニウム、バラ、ヒナギク、ダリアなどの花々が美しい。ゴミひとつ落ちていないほどきれいに整備されたこの高原、半袖シャツでは涼しすぎる。(以上、『地球の歩き方、マレーシア、95〜96年版』より


●昆虫教室

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【注目】2013年3月、春休み

マレーシア昆虫教室が再開するそうです!

問合せはこちら http://beetlemanfh.wix.com/malaysia

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実は今回は観光が目的ではなく、昔、日馬プレスに載っていた『昆虫教室』に参加する事が目的であった。「フレイザー・ヒルでカブトムシやクワガタが捕れる」という事を知り、かねてからこの教室に参加したいと思っていたが、金曜日の午後から出発しなければならず普通の週末ではちょっと無理なので行く機会が中々取れなかったのだが、今回のディパバリ連休、ちょうどティオマンから帰って金曜日からは予定無しだったので、直前になって慌てて申し込み、多少ティオマンの疲れは残っていたが参加することにした。

この『昆虫教室』、日馬プレスに「新・異文化講座」を連載されている異文化コンサルタントの河谷隆司さんが個人的に行っていたのが口コミで広がり、ついにはプロジェクトとして定期的に行われるようになった教室である。最近では、シンガポールでの人気の方が高いらしい。。。

フレイザーズ・ヒルは野生生物保護法で、あらゆる動植物の捕獲が禁止されている保護地区であるが、この教室はパハン州政府・野生生物局の推薦とフレイザーズ・ヒル開発公社(FHDC)の特別免除を取得して採集が可能になっており、この教室の枠外での昆虫採集は処罰される違反行為である。左の写真は、採集許可の証明書で、右の写真は、我々が採集するときに掲示するバッジである。

森の中の感動体験』とサブタイトルが付いたこの教室の願いは、

「親子が3日間も同じ目的にむかって時を過ごす体験」がここにはあります。その結果。親子で「クワガタがたくさん採れる夢」を見る家族もいます。我が子がコンピューターゲーム以外に熱中して走り、喜ぶ姿は感動的です。この3日間は、子供が何をしても叱らないで下さい。のびのびと自然の中で自由にさせてあげて下さい。そして子供が欲しがった虫を採れたときは、心から喜んであげて下さい。親と子がひとつの体験を共有する・・・それが昆虫教室の素晴らしさです。(ネイチャーファーム主宰:かわたに たかし)

ティオマン島に滞在中、E-mailで、昆虫教室のWEB Siteの協力者、高松さん経由で申し込み(河谷さんはPCが故障していてメールが拾えなかったそうです。高松さん、色々とフォローアップ有り難う御座いました。)、KLに帰宅してみると、FAXにて参加確認とフレイザーズ・ヒルまでの地図、持ち物などが記してある資料が届いていた。概要は、

【引率】主宰者の河谷さんとWWF自然センターガイド
【費用】子供2歳以下無料/3歳〜11歳までRM300・S$135、大人12歳以上:RM400・S$180(ホテル2泊、全食事、引率指導、WWFガイドなど込み)
【集合】初日が祝日にあたる日は4PMまで、それ以外は6PMまでに各自ホテルに集合。
【定員】先着6家族程度
【宿泊先】リゾートホテル(シャレー等ではなくホテル形式)
【持ち物】懐中電灯、軍手、持っている人はスコップ、大きなゴミ袋、合羽か傘、虫かご、目覚まし、歯磨きセット、入浴用タオル(バスタオルはホテルにある)、リンゴ1個(8つ切り)、救急薬(蚊は殆ど居ません)、筆記用具。


●11月12日(金曜日)

初日の出発は午後なので、午前中は元紀と虫かご、軍手、スコップ、ガムテープなどを買いに行った。その後、現地ホテル集合時間の5:30に間に合うように自宅を2:30頃出発した。給油したかったので高速には乗らずに国道1号線をIpoh方面に向かってひた走る。途中、Rawanの小さな町(ここまで30Km程度)を抜け更に30kmほど行くとBKT Fraserと指示がある看板も見え始め、Kuala Kubu Baharu方面に右折してから曲がりくねった道を更に30kmほど走る。

くねくねと30分以上走って、やっとフレイザーズ・ヒルのゲートに着いた。このゲートは、日昼は時間制限の一方通行で、偶数時間帯が下り線用、奇数時間帯が上り線用。従って4:30にはゲートに到着したが5:00までは上れない。元紀と適当に時間を潰し、5:00丁度になって赤信号が青に変わり再び移動開始。

確かに車二台がすれ違うにはとっても難しい道幅である。。。このような道が連続した中、約20分でフレイザーズ・ヒルに到着。清里高原のような雰囲気でとっても涼しい。日昼は25度から27度、夜間は20度前後と大変快適な気温だそうである。

この教室は毎回宿泊するホテルをローテーションで変えるそうであるが、今回の宿泊先は『Fraser's Pine Resort』。ちょっと探すのに迷ったが、無事、丁度5:30に到着した。部屋は3ベッドルームのコンドミニアムタイプで大きなベランダがあり、私と元紀二人には勿体ない大きさであった。但し、飲み物や食べ物、シャンプーやドライヤーは部屋には置いてないので自分で準備する必要がある。

この日のスケジュールは、6:00から虫かごに入れる落ち葉と木の破片拾い。暗くなり掛かった森の中で落ち葉と木片を探して採集の準備完了。その後、夕食をみんなで食べ9:30頃からいよいよ1回目の採集である。

日本の感覚だと、櫟林の中にでも入って木に付いている虫達を採るように思うのだが、ここでは光を使った灯火採集。高台のホテルの灯りや広場の電灯の灯りの周りを探す。「こんなんで本当に採れるのだろうか?」と半信半疑であったが、階段の踊り場や通路などに、何気なくカブトムシやクワガタが転がっていた。。。この日の収穫は何と7匹。元紀も目をギラギラと輝かし、眠気など忘れきっているように探し回っていた。

この日は11:30頃にホテルに戻り12:30頃就寝。翌日は6:30から2回目の採集開始なので6:00には起きなくては。。。


●11月13日(土曜日)

予定通り6:00に起き、宿泊先のホテルの周りで採集をする。元紀も眠い目を擦りながらの参戦。でもこの朝の結果はカブトムシの♀1匹だった。朝食前に運動したので、お腹がペコペコ。朝食は8:30からである。朝食に向かう途中、ホテルから下界を見渡すと、確かに海抜1500mを実感させる景色、我々は雲の上に立っていた。

10:00からFraser's Hill Nature Education Centerに行き、WWFのガイドさんに連れられてネーチャー・ウォーク。元紀はインド系のガイドの女性と英語で会話していた。。。

因みに、今回の参加家族は4組と少な目であったが、その内半数の2組がシンガポールからの参加家族であった。

ネイチャー・ウォークが終了する直前にスコールに遭ってしまうが、ホテルに戻り昼食を食べ午後はフリータイム。ビールとお菓子、水などを買いにミニマートに行き、その後は夜の採集に備えてホテルの部屋で夕食の時間まで昼寝していた。

さて、午後の行動開始。まずは夕食の後、8:00から昆虫教室「昆虫の飼育の仕方・産卵のさせ方」。子供達だけでなく、大人もみんな真剣。先生は主宰の河谷さん。紙芝居風に分かり易く教えてくれるので子供達も飽きない。
その後は、10:00を回った頃から3回目の昆虫採集である。今回もホテルを数軒周り、きのうナガキバネツヤクワガタ♂が採れた広場の電灯付近のヤシの葉で、またセアカフタマタクワガタ♂をゲットし、その後は河谷さんが入念に準備した仕掛け(ライトアップ)の場所へ向かった。そこはゴルフ場であり、そこに白いシーツを張って蛍光灯をこうこうと灯してあった。但し、、、残念ながらテングオオキバクワガタ♂1匹しか収穫がなかった。
時計の針は既に12:00を回り1:00に近い。ホテルに戻りシャワーを浴びてそのまま就寝。明朝の4回目の採集は諦めた。。。


●11月14日(日曜日)

朝の自由行動の昆虫採集はスキップし、午前中は昆虫教室「標本の作り方」のあと、採集の結果発表・カウンティング。我が家の結果は、総勢、11匹で4家族中2位の成績であった。尚。今回の4家族の合計は、カブト11匹、クワガタ15匹、コガネ4匹の全30匹。

青色文字の名前をクリックすると、それぞれの画像が見られます)

種類 名前 雌雄
カブト マレーメンガタカブト 1
オオツノメンガタカブト 1
コーカサスオオカブト 1
クワガタ テングオオキバクワガタ 1
ブッダノコギリクワガタ 1
ナガキバネツヤクワガタ 1
パリーオオクワガタ 1
テナガ テナガコガネ 1
その他 オオクロツヤムシ 2
クロツヤムシ 1

その他、他の家族が採集した昆虫は、コーカサスオオカブト♂ナガキバネツヤクワガタ♂セアカフタマタクワガタ♂セアカフタマタクワガタ♀マレーオオヒタラクワガタ♂オオサマナンバンダイコウコガネ♀

最後に、子供達が手に汗握ったクワガタ、カブトの戦い

まずは、ナガキバネツヤクワガタVSセアカフタマタクワガタ。ナガキバネの方が大きいが性格は大人しい。それに対してセアカフタマタは角も2段に捕まえられるようになっており、如何にも喧嘩が強そう。大人しいナガキバネもセアカフタマタのチャチャに怒り戦闘開始。やはり身体の大きさで勝るナガキバネが終始有利で、誇らしくセアカフタマタを持ち上げ勝負あったかと思ったが、そこは連戦錬磨のセアカフタマタ、最後のウッチャリでナガキバネを投げ飛ばし、堂々勝利をおさめた。

お次は、勝者セアカフタマタクワガタVSマレーオオヒラタクワガタ。セアカフタマタはさっきの対戦ですっかり興奮しており、掴んで土俵(木の上)に戻すのさえ大変である。一方のマレーオオヒラタは力持ちで定評がある。両者大きさも同じくらいで面白い対戦が予想されるが、さっきの1戦を見ている限り、やはりセアカフタマタが有利か??。暫くは両者がっぷり四つで動かなかったが、最後には先生の力添え?もあって、マレーオオヒラタの勝利となった。

最後にカブトムシVSクワガタ。でも、大きさで圧倒的に勝るコーカサスオーカブトの気迫かそれともカブトとクワガタの暗黙の了解なのか、コーカサスに立ち向かうクワガタは1匹もいず、組む前に勝負ありであった。

子供同士で昆虫達のトレードも行われた。ジャンケンで仕留めた(先生が採った)セアカフタマタクワガタを出してコーカサスオーカブトを貰った。これで我が家にはコーカサスオーカブトは雄と雌が居ることになる。何処で覚えた言葉なのか、元紀は「これで交尾が出来るね」と宣っていた。

いつもの教室より早めといわれる12:30にホテルを出発し帰路に就く。来るときは山道に入ってから終始寝ていたので乗り物酔いもしなかった元紀だったが、今回はしっかりと途中で気分が悪くなり、お昼に食べたパパイアを戻していた。これはママ似。帰りは高速を使ったこともあり、ホテルから家まで丁度2時間の道のりであった。

今回は元紀と二人だけで外泊する初めての旅行だったので、もしかしたら「僕、おうちに帰りたい、、、ママ〜、、、」と泣き出すのではと心配していたが、同年代の子供が多かったのと採集に熱中していたのとで、そんな心配は全く要らなかった。パパと元紀の絆がとっても深まった旅行であった。結構リピーターも多いようだが、我々も是非また訪れてみたいと思った。


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