マレーシアンTips【その2】

 96年までクアラルンプールで日本語教師をしていたノリさんのマレーシアンTipsです。私の掲示板に書き込んで頂いた内容をまとめました。尚、ノリさんの奥さんは中国系マレーシア人で、今は東京のある町で暮らしています。マレーシア滞在当時は、KLから車で一時間ほど南へ行った所にあるセレンバンという町に奥さんの家族と一緒に住んでいたそうです。ノリさん、貴重な情報提供、有り難う御座います。

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9. ラクサとスチームボート

 ラクサやスチームボートという単語を見ると、どうしても食いしん坊の僕は黙っていられません。ラクサといえばペナン、ペナンといえばラクサというぐらい「ペナンラクサ」はマレーシア全土にわたって有名ですよね。KLや僕が以前住んでいたセレンバンの屋台街に行けばあちらこちらで「ペナンラクサ(カリー・ラクサ)・蝦麺(ハーミー)」の看板をあげているお店があります。僕がセレンバンの街中でよく食べていたペナンラクサとは次のようなものでした。
1、スープは基本的にカレーベース、真っ赤で一見するとすごく辛そうで表面には赤い油がうかんで見える(これは、ラー油ではなくココナッツミルクから出た油が赤く染まったものです)
2、麺は一般的な中華麺、具としてスープを良く吸った油揚げやもやしそして忘れちゃいけない赤貝のむき身などが添えられます
3、お店によってはライムなどを一緒に出してくれるところもあります、これをちょっと上から絞りかけるとさらにおいしく頂けます。
4、ローカルの人達によく注意されたこと「ラクサを食べる時は急がず大きく息を吸うな」ラクサから出る酸味や辛味の湯気で大きく息を吸うと必ず「ゴホッゴホッ」と咳き込んで苦しいおもいをします。

 しがっちさんが感じたトムヤムにペパーミントを加えたような味はおそらくベースとなるカレーペーストを作る時に使われるレモングラス(カレーを作る際によく使われる酸味のある葉っぱ、スパイス)によるものではないでしょうか?

 またスチームボートについてですが、KL近辺でよく食べられるものはなべが内側で仕切りにより二つに分かれていて一つには漢方の薬草スープがもう一つには普通のチキンスープ(トムヤムスープが選べる場合もある)が入れられます。(ガーリックスープを加えるというのは聞いた事がないですね)これにいろいろな野菜や魚のすり身団子、お肉などを入れてチリソースや中国醤油ににんにくやチリ(青唐辛子)を入れたソースにつけて食べるのが一般的だと思います。僕の一番好きな具は魚肉でセロリを巻いたものです。お店によって味付けや具の種類がかなり違うのであちこちと試されても楽しいですよ。

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8. マレーチャン(クリケットさんからの情報)

 さて東京のマレーシア料理の店ですが、アジアキッチンTKと同じ池袋にあるマレーチャンもお勧めですよ。先日シンガポールフリークのメンバーとのオフ会で初めて行ったのですが、メニューも豊富だし美味しいし是非一度行ってみて下さい。ただ週末は混んでいるので、席の予約をして行った方がいいです。カンコン炒めが美味しかったです。

 あとシンガポールメンバーとのオフ会で利用している、新橋のシンガポール・シーフード・エンポーリアムもお勧めです。カンコンチリが好評でした。みんなカンコンがとっても好きみたいです。ここにはペナンラクサもシンガポールラクサもあります。マレーチャンの方はラクサは要予約だそうです。こちらも是非。

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7. Rasa Malaysia

 池袋のマレーシアレストラン「アジアキッチンTK」の姉妹店である新宿の「Rasa Malaysia(ラサマレーシア)」へ行ってきましたのでご報告したいと思います。

 レストランの大まかな場所と行き方・・・JR新宿駅の東口を出てアルタ方面へひたすら歩くと靖国通りに出ます(歌舞伎町の看板のある大きな道)、歌舞伎町方面へ続く通りの入り口にはそれぞれアーチ状の看板が出ています、そのなかの「さくら通り」(セブンイレブンと牛丼の松屋に挟まれた通り)に入ります20mほど歩くと右のビルの前に「Rasa Malaysia」の看板が出ています。

 お店の様子・・・4階でエレベーターを降りると入り口の横の壁にここの料理長を勤めるタンさんと駐日マレーシア大使がお店のオープニングのときに一緒に写った写真があります。バティックやマレーシアの凧で飾られた店内に入り席につくとマレーシアの民族衣装を着たウェイトレスさんが蝦せんべい(広東語でハーペンと呼ばれるもの)を持ってきてくれます。メニューは写真付きになっている(ちょっとした説明も書いてあります)のではじめてマレーシア料理を食べられる方でもどんな料理なのか良く分かります。

 これだけ食べました・・・1、蝦のバター炒め(ナイヤオハー)2、Claypot Chicken Rice(サーボカイファン)マレーシア風鶏釜飯かな?3、きしめんやきそば(コンチャオホー)ここでいうきしめんとは、いわゆるクイティャオ(お米で作った平たい麺)のことです4、Kari Ayam(チキンカレー)5、ボーボーチャチャ(さつまいもとタピオカのココナッツミルク煮)の五品です。全部おいしかったのですが、なかでも友達に是非食べるように薦められていた、蝦のバター炒めは絶品まさにマレーシアの味でした。

 食べた後店員さんといろいろお話をしたところ最近、調理長のタンさんが本を出版されたとの事「マレーシア楽園の食卓(旭屋出版)」という本で早速見せてもらい一冊購入しました。マレーシアの料理の説明、写真、レシピなどが良くまとめられていてとても楽しい本です。興味のある方は直接お店に行くか、書店で探してみてください。

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6. Cultural Identity

 僕も妻に「沢山の言葉を使っていて時々頭の中でそれが、ごちゃごちゃにならない?」と訊ねたことがあります。彼女の答えは「基本的に軸になっているのは、小さいころから一番良く使っていた父親の言葉(客家語)で、中国語は文法的にはほとんど同じだから、親戚が使っていた言葉や学校で習った言葉は自然と身についたし、マレー語や英語についても同じで、話しているときも客家語で考えているのよ」という事だそうです。確かに彼女がインド系マレーシア人の友達から英語で電話番号を聞き、覚えようとしているとき、小声でぼそぼそと呟いているその数字は客家語であり、彼女達、華人の話す英語(マレーシアン・イングリッシュ)の単語の並べ方は中国語の文法の並びを、ただ単に直訳し使っているということがしばらく付き合っていると見えてきます。では彼女達のcultural identityはどうなっているのでしょうか。

 「私は自分の事をマレーシアの中国人(チャイニーズ)だと思っている」とよく言います。「どう言う意味?」と訊ねると「中国人は何処に行っても何も変わらない、たまたま生まれたところがマレーシアだっただけ」とあっさり答えます。(少し前までTBSテレビの「未来日記」に出ていた台湾人の女の子のみせるしぐさや表情が、まったく僕の妻のみせるものとそっくりだった事から妻の意見がまんざら的外れではないのかなと考えたりしました・・?)

 マレーやインド系のマレーシア人については、どういうcultural identityを持っているのかよく分からないのですが、三つの民族が一緒の国に住むということがかえって、それぞれの民族のcultural identityをより強いものにしているのではと、マレーシアにいるときによく考えました。越えられそうで越えられない文化の壁があるのかもしれません。

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5. マレーシアの中国語

 マレーシアの華人たちが使う言葉の多さには驚かされます。皆さんご存知の通りKL、イポーそしてセレンバン近辺の華人達はお互い日常会話では広東語を使い、ペナンやジョホールバルあたりでは福健語が使われています。僕の妻は、セレンバン出身で父親が客家人,母親が福健人、そして中華系の学校を出ているので、北京語、客家語、福健語そして広東語の四種の中国語を使うことが出来ます。

 彼女となんとか英語ではなく中国語でコミュニケーションをとりたいと考えた僕は、KLのブルック・フィールドにあるYMCAの広東語教室に通ってみました。教えて頂いたのは、70歳位のおじいさんの先生、戦争のとき日本軍に日本語を教えられたらしく教室のなかで僕とは日本語で会話をしていました。週二回の授業で一回90分、授業料はいくらだったか憶えていないのですがKLの広東語を教えてくれる教室のなかで一番安かったと思います。(多分Rm120くらいかな)3ヶ月で一つのレベルが終了するコースのうち、仕事の都合で2ヶ月ほどしか勉強することが出来ませんでしたが基本的な単語はある程度マスターしていたので、それを頼りに妻達の話す中国語を理解しようと会話に耳を傾けました。

 3年後、ヒアリング力はかなり付き、広東語、北京語、そして客家語(これが一番得意)はほとんど会話の内容を聴いて理解出来るようになりました。やはり語学は出来るだけその言葉が使われている環境に身を置き、聴くことからスタートするのが良いのではないかとそう思います。スピーキングについては、それほど努力しなかったので今でも片言しか話せないのですが、発音はネイティヴに近いはずです。

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4. E&Oホテル

 6年くらい前にペナンのジョージタウン、Lebuh FarquharにあるE&Oホテルに泊まりました。古き良き時代のホテルと言った感じで部屋の天井がとても高く、家具も一般のホテルの物に比べるとひとまわり大きく、いかにもヨーロッパ人が設計したホテルというイメージを受けました。(このホテルの設計者はシンガポールのラッフルズホテルも設計した人らしい)

 他のホテルにはない居心地の良さやその意外ともいえる値段の安さ(ツインベッドルーム、海側の部屋で150マレーシアリンギットぐらいだったと記憶しています)が大変気に入り、自分のペナンでの定宿にしようと決めていたのですが、6ヶ月経ってもう一度訪れたときには既に改装のための取り壊し工事が始まっていました。それからペナンに訪れる度にこのホテルの様子を見に行っていたのですが、いつ行っても改装中の張り紙がしてあり、それどころかまるで改装は進んでないような様子でした。ペナンと聞くと今でもあのホテルのことを思い出します。

 「ガッシャーン」と扉のフェンスを閉めるタイプ(昔のアメリカ映画に出てくる様な年代的なもの)はとても印象深く、よく憶えています。ちょっと図書館で調べたところシンガポールのラッフルズ・ホテルやペナンのE&Oホテルを経営していたのはアルメニア人のサーキーズ4兄弟であり1887年にラッフルズ・ホテルが完成するよりも前、1885年にE&Oホテルはオープンしたのだそうです。歴史的にも大変価値のあるこのホテルがなるべく早く以前の面影を残したままリニューアルオープンしシンガポールのラッフルズ・ホテルの様にペナン・ジョージタウンのランドマークのひとつになるといいですね。

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3. セレンバン(芙蓉)焼包を探せ!

 KLのチャイナタウンなどを歩いていて「芙蓉焼包」と書かれた看板を目にしたことはありませんか?芙蓉とは中国系マレーシア人たちが、セレンバン(KLから一時間ほど南下した所にある街の名前です)を指して言う言葉で発音は、「フーヨン」といった感じです。また焼包とは文字どうり、飲茶のときに出てくる叉燒包(チャ―シウパウ)に似たものを焼いて調理したもので外側はパリパリとパイ生地状で内側には特製のタレで味付けされた焼き豚の具が詰まっています。「シュウパオ」と発音します。

 この「フーヨンシュウパオ」名前のとうりセレンバンが発祥の地なのです。元祖である本店はセレンバンの僕が以前住んでいたところのすぐそばにありました。お店自体は「え、これが本店なの?」と疑ってしまうほど小さく、みすぼらしいのですが、朝早くに行かないと、すぐに売り切れてしまうほど、シュウパオは人気のある名物なのです。

 芙蓉シュウパオは、マレーシア国内に数店そして、シンガポールにもそのチェーン店が存在し、やはり根強い人気があるようです。しかし本店の味というものがあるらしくKLで売られているシュウパオとセレンバンのものとでは少し味に差があるようです。本店のある場所は、大変説明するのが難しいので今回はセレンバン市街地、市場のちかく、警察署やモスクのある一本裏の道に入ったところにあるとだけ書いておきます。KLのお店で発見し易いところは、チャイナタウンのJalan Cheng LockにあるHong Leong Bankの斜め前のお店とブキッ・ビンタンのJalan Bukit BintangのBBプラザの前、アゴラホテルの並びにあるお店です。是非、お試しください。

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2. 日本のマレーシア料理レストラン

 Tomさん ご帰国されるそうですね、どうもご苦労様です。4年前、僕がマレーシアから日本へ帰国する事が決まったときもなんとなく嬉しいような寂しいような気持ちになったことを思い出します。

 なかでもマレーシアの料理を食べれなくなることが一番僕にとっては辛かったので、日本に帰ってからしばらくは、東京中のマレーシア料理レストランをまわってみたり、アジア系の食材を求めて上野のアメ横へ足を運んでみたりしました。

 と言うわけで今日は、Tomさんにもぜひ行って欲しい東京にある僕のお気に入りのマレーシア料理レストランをひとつ紹介しようと思います。新大久保や新宿にもいくつか在日マレーシア人に人気のあるお店があるのですが、僕のお勧めは,池袋にあるアジアキッチンTKです。(アジアン・キッチンではないのでご注意)、池袋東口を出て(西武百貨店とかがあるほう)から駅の建物に沿って明治通りを目指し南へ(セゾン美術館の前を通って)徒歩5分、右手にマクドナルドの入っているビルが見えたら上のほうを見てみてください、7Fのところに看板が見えるはずです。

 ここのご主人さんは,知ってる方もいるかもしれませんが、TBSテレビの「ここが変だよ日本人」にも出ていらっしゃるマレーシア人のTamさんです。夜しか彼に会うことができませんが、話してみるととても気さくな良い方です。料理も値段はリーズナブルだし、マレーシアの屋台の味そのままのおいしさです(ロティチャナイも食べれます)ぜひいちど行ってみて下さい。

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1. セントラルマーケットの前のロティチャナイ屋

 観光客がよく訪れるKLのセントラルマーケットの入り口にむかって右のほうに行くと、ロティチャナイ(インドのナンのような焼いたパンroti canai)のお店が2軒ほどあります。僕がむこうで働いていたときは,よくこの大道りに近いほうの店で朝食をとっていました。

 「ロティチャナイ、サトゥ(satu、1という意味)」と注文すると,焼き立てのロティが運ばれてきます。日本人の発音のままでも十分通じるので,初めてマレーシアに行かれる方でも大丈夫です。これに,テー(練乳入り紅茶、teh)を一緒に頼んでも、日本円で200円しないと思います。この店のおすすめは,昼にしか食べられないマレー風チャーハン(いわゆるナシゴレン nasi goreng)です。衛生面をあまり気にしない方は、ぜひチャレンジしてください。僕は,3年ほどほとんど毎日食べていましたけど,別に平気でしたよ。

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