テニス用車椅子贈呈式



 2000年12月17日、Penang Wheelchair Tennis Association(以下、PWTA)の主催で行われたテニス用車椅子贈呈式に出席してきました。寄付されたのは、私がPenangとKL時代にお世話になった上司である上田さんの奥さんの説子さん。実は、上田さんは昨年1999年12月25日、クリスマスの日に他界されました。心臓の病気だったのですが、前日の24日がクリスマス&ハリラヤ休暇前の最終日で、「今年も一年間ありがとう」と言われたときは全く普通の人のようだったのですが、その人が翌日亡くなってしまうとは。。。俄には信じられませんでしたが、、、心臓の病気は本当に怖いです。

 その上田さんがペナン時代に一番通っていたのがPenang Sports Clubで、ここでテニスを通して知り合ったのが、PWTAのプレジデントである星野さん。面倒見のいい上田さんは、このPWTAにも顔を出し、精力的にコーチをされていました。

 そんな上田さんの意をくんで、「康男ちゃん(説子さんの上田さんに対する愛称)が愛したペナンに何をしたら一番喜ばれるだろう・・・」と考えていた説子さんの元にテニス用車椅子の話が舞い込んできて、なんと、会社の寄付(法人)も得ることが出来、5台もの車椅子を寄付することが出来ました。そして今日がそのデモンストレーション贈呈式。日本から説子さんのご両親、叔母さん、弟さんご家族も式に参加するために、一緒に来馬されました。

 私はというと、私がペナンに出張で来ている事を知った説子さんからメールが入り、この贈呈式に参加する機会が巡ってきました。KLからは、上田さんの秘書だったTannieも式に参加するためにやって来ましたので、取り合えず私の役目は、このTannieのアッシー君(各会場までの送迎)でした。

 4時半に、USM(University Science Of Malaysia)前のスポーツセンターにテニスのデモンストレーションを見に行くと、既にPWTAのメンバーはテニスを楽しみながら主賓(説子さん)の登場を待っていて、「Ms.Ueda&SONY・・・」という垂れ幕も誇らしげに飾られていました。

 説子さんも、車椅子でのテニスに果敢にチャレンジしました。おろしたての、軽量高剛性の新素材がふんだんに使われているスポーツ用の車椅子は、とっても軽いです。プレジデントの星野さんも贈呈者の記念すべき初プレーを温かく見守っています。

 新聞社も4社くらいが取材に来ていて、撮影やインタビューなどが一通り終わりかけた頃、マレーシア名物?のスコールがあり、一同退散。夜に予定されているプレゼンテーション&ディナーまで一息つくことになりました。

 7時からは、いよいよ贈呈式&ディナーです。会場は、Choo Plazaの3FにあるJade Chinese Restaurant。ここでの主役は完全に説子さん星野会長の謝辞の後、説子さんのスピーチです。勿論英語でしたが、とっても流暢に、しかも堂々とスピーチされておりました。会場の約50名の人たちからも拍手喝采でした。

 何故か私はS社代表という事で、主賓テーブルに座らされたのですが(もっといい服を着てくれば良かった、、、)、そのテーブルには、Datuの称号を持ったCPO(Cheaf Police Officer)もおられました。説子さんとDatuのツーショットです。

 本日のメインイベントである車椅子の贈呈も無事終了し、中華のディナーを堪能した後は、PWTAのメンバーに見送られ、我々来賓は会場をあとにしました。

 ホテルに帰る途中、説子さんから、「きっとこういうの、康男ちゃん喜んでくれたよね。」との言葉にちょっとジ〜ンと来ましたが、「今日は色々と手伝ってくれてありがとう」とのお言葉を頂き、上田さんが亡くなられた時にはオーストラリア旅行に行っちゃった後で立ち会えず、KLからの帰還も見送れなかった私としては、初めて上田さんに喜んで貰えることが出来たと、約1年の時を経過して、やっと思うことが出来ました。今日はとっても貴重な体験で、またとっても自分のBossに誇りを持てた時間でもありました。


 尚、12月19日のマレーシアの新聞「The SUN」に以下のような記事として掲載されていましたので紹介します。

Five new tennis wheelchairs for PWTA
by Izam Fairus

GEORGE TOWN, Mon: The Penang Wheelchair Tennis Association (PWTA) received five tennis wheelchairs valued more than RM4,000 yesterday. The wheelchairs were jointly donated by Sony Corp Japan employees, and the wife a former Sony staff.

PWTA president Kyo Hoshino, who recieved the wheelchairs, said such contributions will help the association in preparation for the Malaysian Open tournament in March. "We will be sending four to eight athletes to the tournament in Kuala Lumpur and the wheekchairs will help us prepare gor the tournament. "We need a lot of money for the development of wheelchair tennis and the donation shows that there are people who are really concern about sports development at any level," he said at the PWTA dinner in Jade Palace Seafood Restaurant last night.

Setsuko Ueda, who flew in from Japan with her family for the presentation, said:"It's my (late) husband's love for tennis that gave me the inspiration to do something for the sport, especially when it involves the less fortunate. "He loved tennis so much and during his assignment in Penang in 1997, he joined Penang Sports Club and was quite active with PWTA. His love towards the sport inspired me to do something in memory of him. "When my company (Sony Corp) heard about my donation, they decided to donate the same amount and finally we managed to get five wheelchairs for the association," she said.

Setsuko's husband, Yasuo Ueda, served Sony Corp in Penang. He was then transferred to Kuala Lumpur in 1998 and passed away on Christmas Day 1999.

Yesterday evening, a team of athletes from PWTA tested the new alloy wheelchairs at the Batu Uban Youth and Sports complex.


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