納莉(NARI)台風

(2001年9月17日〜18日)

 台湾は台風の通り道、年に数回台風が上陸するのですが、台風が上陸して被害が大きくなりそうな場合には、政府が「明日は会社も学校も休み!」と宣言して公休になります。従って、本当は台風なんて嬉しくないのですが、上陸しそうな晩はTVのニュースを真剣に見て、明日が休みか休みじゃないか一喜一憂している人達が多いのです。この「臨時休業」を想定して、台湾には夏休みがない、という噂もありますが。。。

 そして私が台湾に生活して最初の年に、台北に70年ぶりの大雨をもたらした台風に遭遇しました。日本では、アメリカの9.11テロ事件やその後の証券取引所営業開始の話題が大きく、台湾の台風はNEWSには取り上げられていませんでしたが、この70年ぶりの大雨をもたらした今回の台風「ナリー」が与えた被害は大きく、台北市内でも2日経っても80万戸以上が停電になっていました。

 まずは9月17日月曜日、すでに前日のニュースで今日は公休になっていましたが、朝から停電でニュースが見れなかったので、台北市内などの被害の様子がわからなかったのですが、家にいても子供達は飽きてくるし、エアコンも効かないし、お昼を過ぎて雨も止んでお腹もすいてきたので、「三越にでも行って来るか」とクルマで出掛けました。尚、アパートのエレベーターも停まっていたので7階から下まで暗い非常階段を懐中電灯を照らしながら下りました。

 我が家がある天母地区は木が倒れたりバイクが転倒している程度でしたが、台北市内はいたるところで浸水しており、その浸水を避けるために市内を走る高速道路が駐車場になっていました。その隙間にクルマを止めて辺りを見渡すと、そこいら中で浸水していました。クルマが完全に埋まっていたり。。。思わず、持っていたデジカメのシャッターを押してしまいました。(画像は、クリックすると大きなサイズで見られます。)

高架道路は臨時駐車場
クルマも半分以上埋まってます
道路という道路は河です
これも河
クルマもバイクも・・・
ビルの間という間はこの通り
基隆河もこんなに増水
今にも氾濫しそうです

 尚、こんな状況なので、三越もSOGOもみんな休みでした。結局帰る途中で開いていたマックで食事してコンビニでカップ麺や水を大量に買ってこの日は帰宅しました。ちょうど帰宅した頃に電気がつきそれ以降は文明的な生活が出来ましたが、台風でこんな大きな被害を目の当たりにしたのは生まれて初めて(肉眼で見たという意味)でした。

  今回の台風、一度台湾を通過して沖縄に行き、そこから台風が180度Uターンして台湾に上陸しました。一般的な台風の進路とは逆に進んでいたので時速4kmと非常に遅く、台湾に36時間も居座りました。その為、この3日間で半年分の雨が一気に降ったそうです。しかも、地下道などのポンプのメインテナンスの悪いところが多く、肝心な時に水を汲み上げてくれなかったのが、被害を余計に大きくしてしまったようです。

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